アトリエ系建築設計事務所に勤務するスタッフのひとり言

建築について、日々の生活について、感じた事を言葉にする。

堀部さんレクチャー

ここ最近で聞いた話、読んだ本の事などをまとめておこうと思う。

1か月前ほどに自分の家の近くに鎌倉山の集会所が竣工し、内覧会が開催された

そして、1週間程前に設計者の堀部さんがレクチャーを集会所で開いたので行ってきた。

レクチャーの内容は新集会所のコンペ時から竣工までの話、いままでやった鎌倉山での仕事二つ、それと堀部さん自身がどういった考えで建築を作っているか、などであった。

そこで自分が興味を持ったのは堀部さんの根幹となる部分の多くが日本の寺院建築の構成からきていることである。

今回の集会所もそうであるが、寺院建築の特徴である室となる内側の周りに縁側が周り、さらにその外に外部空間が広がるような入れ子状の構成をよく用いるという話であった。

また柱と床、屋根によって作られた空間が建具によって仕切られ、中と外が連続したような空間が素晴らしいという話もしていた。

そして、そういった空間を持つ寺院建築の例をいくつか写真と一緒に紹介し、入れ子状の構成をした自身の作品もいくつか紹介してくれた。

こうやって紹介してくれると本当に堀部さんの作品が寺院建築の構成をよく使っているいるのがわかる。

またこの構成について堀部さんは「この寺院建築の構成を超えることはできないと思っている。長い時間をかけて作られた究極的な構成だ」と言っていた。

基本的にこの構成をその時の土地の条件や施主の要望、時代性などに当てはめるようだ。

今回の集会所でも入れ子構成ではあるが、周りにまわる縁側空間はただの廊下ではなく、ベンチが置かれたり、テーブルが置かれたり、それぞれの場所に特徴があり、さらに建具によって内側の空間と繋がることも出来るようになっていた。

また、最近の作品の構成として、正方形や正五角形などから少し歪ませた形を作るようにしているそうだ。集会所の場合は入り口に人を迎え入れるような感覚を持たせるために歪ませた四角形をしている

今回の話を聞いて思ったのは、堀部さんのような人にもやはり建築を作るときは何か参考となるようなイメージを持っているのだと思い、やはり多くの建築と空間を感じ、こういう空間が良いんだと自分の中にストックしておく事が大事なのだと感じた。

自分も今まで行ったところの写真などを整理して、自分のいいと思う空間をまとめようと思う。

長くなったので本のことはまた次の記事に書くことにする。