アトリエ系建築設計事務所に勤務するスタッフのひとり言

建築について、日々の生活について、感じた事を言葉にする。

トウキョウ建築コレクション2015

今日はトウコレの審査会でした。

午前中にプレゼンを聞いて

お昼を挟んでポスターセッションをし

審査会をし賞を決めるという流れです

午前のプレゼンは各人3分という短いプレゼン時間のためとても早口な人が多かったが、

みなプレゼンの練習をしっかりしてきているのであろう

スムーズで簡潔で割と聞きやすかった

ポスターセッションでは何人かしか聞いていないが

手塚さんは言いたいことをズバズバと喋る感じ

まぁ他の審査員も割とそうかな

取り敢えず何をしたのかハッキリと伝えきるのがまずは大切かと

そして審査会だがこれが非常に面白かった

まず総評を審査員それぞれ話していくのだが

建築を全然作っていないという手塚さんから始まり

猪子さんで大フィーバー

何を言っているのかサッパリ分からないと言う

そして社会問題を建築だけで解こうとしている事に対してビビると笑

これはその後の話から、複雑な社会問題を建築だけで、もしくは建築で解くことが最適でないことを建築でやろうとしていることを指摘する発言だったが

そこでまず大きな議論になる

また、そこで出た話で社会問題なんか解決しなくても建築にはもっと人を感動させられるような凄い力があると猪子さんは話していた

この人は結構言っていることは正しいし、勘は鋭い

その後も盛り上がる議論に対し、分からない事を素直に質問する猪子さんがとても明快で気持ちのいい気分であった

いつもは難しい議論をなんとか理解しようと頑張っているけど、猪子さんは頑張ろうとするのでなく分からない事は分からないと言う

これがなんとも新鮮であった

例に出すと、インドの案なんかは確かに良いなーと思いつつ何が良いのか自分でもイマイチ理解できていなかった

それを猪子さんはこれの何が良いのか分からないと素直に述べる

現地でリサーチし、スケッチという手法を通して場を感じ正確にその場の建築を理解し、新たに建築しようとしている姿が評価に値すると聞いて自分も納得した

たしかにあれは建築自体の魅力は何が良いのか分からない

そこを紛わされずにいれるのは建築に染まっていないからだろう

正直今回の審査会で自分は猪子さんという人の意見を聞けただけでも満足だ

それぐらい自分にはインパクトがある人だった

ただ建築以外の分野の人だというだけではなかった

あそこまで分からない事に対してズバっと質問したり、分からないと発言ができる

そして、それを説明してくれる人の話をとても真剣に、と言うか興味深く聞いている姿は好奇心の現れだと思った

ああやって場を恐れずに好奇心を働かせることができるからこそ、きっとteamラボだって面白い仕事が出来ているのであろう

どの世界でも有名になるプロフェッショナルな人達はそういう凄みがあるのだろう

分からない事を分からないままにしない

自分の素直な気持ちを大切にしたいとまた感じた

とてもいい審査会だった